ユニークでおしゃれ、ちょっと驚き ピュアな感性に一目惚れ!


−福祉雑貨のセレクトショップ−



福祉雑貨とは、福祉作業所で障がいを持つ方が作った雑貨のこと。既成概念に捉われず自由な発想で作り出される作品は、どれもユニークで楽しさ・愛嬌にあふれている。ハレノヒ商会は全国の福祉雑貨とドライフラワーのセレクトショップ。オーナーの長岡サヤカさんに福祉雑貨のお店を開いたきっかけなどについて伺った。

オーナーの長岡さん



福祉雑貨との出会い


長岡さんは塩尻市出身、東京でデザイン系の専門学校を卒業後は花屋さんや園芸店、ブライダルの装花など、生花に関わる仕事をしてきた。たまたま実家に花器がたくさんあり、軽い気持ちで花を生けてみたらすっかりのめり込んでしまったそうだ。福祉雑貨との出会いはすでに生花の仕事を始めていた時、15年ほど前。発達障害があり、養護学校へ通っていた甥っ子の文化祭で見た指人形だった。ピュアで心のおもむくままに制作された作品はとても愛らしく、心をぎゅっとつかまれたそう。自分のやりたいことをストレートに表現するエネルギーと感性にすっかり魅了され、2020年1月に福祉雑貨と自作のドライフラワー作品の店をオープンさせた。

一つひとつ付けられたタイトルも秀逸 irodori 裂き織りフロアマット(上から) プリンアラモード、水族館 各1,900円(税込)



今どきの福祉雑貨は進化している


最近福祉作業所の制作現場にはデザイナーがアドバイザーとして企画に関わっていることも珍しくなく、商品としてしっかり勝負できるクオリティのものが増えているそうだ。福祉作業所のスタッフが一部作業を手伝っていることもあるが、あくまでアーティストの主体性を大事にし、「これがいいんだ」と商品を送り出すスタッフのセンスもすばらしいと語ってくれた。現在取り扱っている福祉作業所は12施設で、今後も増やす予定。


新しい作業所の発掘は主にインスタだ。SNSの発展も、知られざる福祉作業所に光が当たるきっかけになっている。しかしながら、パッケージや発信の仕方次第でもっと売れそうな「惜しい」商品もたくさんあるそうだ。今後はアドバイザーとして福祉作業所を手助けすることもやっていきたいとのこと。

猫じゃないよ、犬なんだよ PoMA チャック(犬)53歳 お皿 600円(税込)〜、箸置き400

円(税込)


米袋から今度はバッグに生まれ変わったから「コンドワバッグ」 れもん徳島アートスタジオ コンドワバッグ 3,800円(税込)


地元・須坂のm&co.より、大人気の革小物 

m&co. (左上から時計回りに)ポーチウォレット(L)14,000円(税込)、ペンケース 4,000円(税込)、ポーチウォレット(S)5,000円(税込)、ボールペン 1,000円(税込)、名刺入れ 4,000円(税込)、キーホルダー 1,500円(税込)



福祉雑貨が自然と選ばれる文化へ


障がい者アートといえば社会福祉・チャリティとして、障がい者の自己表現・生きがいを支援して「あげる」ようなイメージが強いように思う。そこには漠然と「障がい者アートは価値が低いもの」という前提があるのではないか。不躾だとは思いながらも、長岡さんにその疑問をぶつけてみた。「確かにそういう風潮はあるかもしれません。私が福祉雑貨のお店をやっているのは福祉作業所の制作活動を応援したいという気持ちもありますが、単純に作品が好き・すばらしいから、多くの方にその魅力を知ってほしいからです」とのこと。事実、デザインもネーミングも「そうきたか!」と唸った後に思わず笑顔になってしまうような、茶目っ気のある作品が並ぶ。長岡さんが手書きしたそれぞれの福祉作業所や商品の紹介ポップは愛情にあふれていて、いつの間にか作品やアーティストを自分の身近な人のように感じていることに気づく。


福祉雑貨が「生活を豊かにしてくれるもの」として自然に選ばれる文化が、この小さなお店から作られようとしているのかもしれない。ぜひお店でお気に入りの作品を見つけてほしい。

内装はすべて長岡さんのDIY



ハレノヒ商会

住所  長野県須坂市米持402-1/ TEL 090-2769-8624

OPEN  平日10:00~16:00 毎月第1土曜日のみ9:30~14:00

定休日 第1土曜以外の土、日・祝(臨時休業あり)


※掲載内容は2020年9月15日現在の情報です。内容は予告なく変更になる場合がございます。

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