地域との化学反応が 先の読めない面白さに
人とのつながりから生まれた小さなチョコレート工房
チョコレート作りは「化学」
2021年1月にオープンしたばかりのチョコレート工房”& chocolate”。オーナーショコラティエの横村さんはこれまでもお菓子作りの仕事をしてきたが、チョコレートを本格的に作り始めたのは最近のことだそうだ。知人を通じてあるショコラティエとつながり、チョコレート作りの基本を学んだ。チョコレート作りの要となるのがテンパリング。原料となるチョコレートを溶かし、温度を下げてからまた少し上げるという作業は、1℃単位の繊細な温度管理が求められる。これまで職人の経験と勘に委ねられていたテンパリングを化学的に理解するべく、カカオに関する論文を読み漁って独自に研究を重ねた。チョコレートはⅠ〜Ⅵ型までの6タイプの結晶構造が存在するが、美味しいのはⅤ型の結晶の時だけ。つまり、テンパリングは温度の上げ下げでⅤ型の結晶を作り上げる作業ということになる。加えてカカオの産地やメーカーによって、テンパリングの温度が異なるという。失敗すればまた一からやり直しとなる、非常に神経を使う作業。しかしながら、的確にテンパリングされたチョコレートは宝石のように艶めき、口の中でなめらかにとろけ、芳醇な香りが広がる至高の逸品となる。
世界一おいしいチョコレートを作る、と思いながら作っているという横村さん
数あるチョコレートの中でも横村さんの心を捉えたのが「ボンボンショコラ」。中にフィリング(詰め物)が入った一口サイズのチョコレートの事だ。バレンタインギフトなどで目にしたことがある方も多いだろうが、一般にはなじみが薄いと感じていた。一瞬で目を奪われるような美しいボンボンショコラをもっと広く知ってもらいたいという思いと、オリジナルの型を作る技術を持っていることもあり、チョコレート工房として出店することを決めた。
人とのつながりで出会えた物件
地元になるべく近い場所で物件を探していたところ、友人が地域おこし協力隊のSNSで公開されていた空き物件情報を教えてくれた。元々はたい焼き屋さんが使っていた物件で、間取りも外観のレトロなレンガもまさに理想通り。ひと目で店のイメージが湧いてきたそう。建物が古く設備を総取り替えしなければならなかった分、家賃を低く設定してもらえたこともあり、即決。コロナの影響を考慮し、通販メインで店頭販売は様子を見ながらやる予定だったが、店頭販売を始めたとたん連日2時間で完売する事態には正直驚いたとか。想定していたよりも地元のお客さんが多く、先が読めない面白さを感じている。
左:キャラメリゼしたアーモンドが香ばしい アマンドル 850円(税込) 中:果実感の残るセミドライのオレンジにスイートチョコをコーティング オレンジ& chocolate 550円(税込) 右:抹茶の生チョコにスイートチョコを挟み込んだ新食感のチョコレート 抹茶& chocolate 1,250円(税込)
店名に込められた思い
& chocolateというのは、「○○& chocolate」というように、様々な人や企業と組んで新しい商品を生み出していきたい、という思いからだ。今も小布施牛乳とコラボしたり、阿智村の南信州菓子工房のドライフルーツを用いたチョコレートを販売している他、複数のコラボプロジェクトが進行中。小さな工房だからこそ、惜しげなく質のいいものを使えることも強みだ。今後ももっと地域密着でコラボ企画を実現させ、長野県のお土産と呼ばれるようなものを作っていきたいと語ってくれた。
今後も新作が続々登場予定
チョコレート作りのスタートから今に至るまで、人とのつながりの力を切に感じている。営業とは一見関係無いようなことが、新しい商品の発想やお客さんにつながることがあるからだ。人とのつながりに助けられてきたからこそ、今度は自分の経験をこれからお店を出したい人などの参考にしてもらえたら嬉しいとの事。今後ますますの活躍に期待しています!
& chocolate (アンドチョコレート)
住所 長野県須坂市北横町1314
OPEN 不定期・Instagramで告知
Web/Online shop https://andchocolate.shop-pro.jp/
Instagram https://www.instagram.com/__________and_chocolate/?hl=ja
※掲載内容は2021年4月9日現在の情報です。表示価格・内容は予告なく変更になる場合がございます。
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