画家 髙津秀太郎

絵を描き始めてわずか3年で自分の美術館ができてしまった!?人も運も引き寄せる、謎のアーティストの素顔に迫る

絵を描き始めたのは「天啓」


髙津さんの経歴は驚くほど絵画とは無関係だ。ホテルの専門学校を卒業し、料亭勤務を経て念願のホテルマンとなったが、次第にこのままホテルマンとして一生働くことへ漠然と疑問を抱くようになる。「自分しかできないことをこの世に残したい」と、働きながらスケッチを描き始めた。


それまで美術の専門教育を受けたことはなく、特段絵画に関心があった訳でもない。きっかけになった出来事もないが、心の中からフツフツと「絵を描きたい!」という思いが湧き出てきた。「歴史に残る画家になるなら油彩だな!」という理由から、全く未経験の油彩を始めた。


ホテルを退職して3ヶ月間、正体不明の自信と情熱に突き動かされて一気に10作品を仕上げ、銀座のギャラリーで個展を開催。生まれ育った小布施にある洋菓子店パティスリー・ロントで作品を展示していたところ、現美術館館長の奥様の目に留まり、作品を購入したことがきっかけで、館長の自宅敷地内の蔵を改装し美術館にすることになった。絵を描き始めてわずか3年で、自分の美術館ができてしまったのだ。

土蔵を改修した美術館の2階には立派な梁が残っている



髙津さんへの質問


ー描く時に「これを描こう」とか「これを表現したい」などと考えますか?


髙津:描く時は無心ですね。スケッチを何十枚も描いて、その中でこれ作品にしたいな、と思うものを油彩にしています。描き始める時も、描いている途中も完成形は考えていなくて、タイトルも作品が出来上がってから決めています。


ーなるほど!子どもがブロックやおもちゃのレールで何か作る時もきっと完成形なんて考えていなくて、思いのままに手を動かしてるんですよね。それで、大人には絶対考えつかないような面白いものができて、「そうきたか!」と感動してしまう。髙津さんの創作もそれと似ているのかもしれませんね。


髙津:子どもみたいなんですかね(笑)

無心で描くスケッチから作品が生まれる



ー描く時に大事にしていることはありますか?

髙津:自分が納得いく「線」を追求しています。依頼を受けて絵を描くこともありますが、自分が納得できるまで渡さないです。渡すまで1年かかったこともありますよ。



ーフランスでも個展や展覧会への出展をされていますが、日本人と外国人とで反応は違いますか?



髙津:意外とあまり変わらないですね。日本人受けしないかな、と思っていたけど。日本のピカソだ!と言われることが多いです。



ー確かにピカソを彷彿とさせる画風の作品もありますね。線がはっきりしているので、私はどこか浮世絵のような雰囲気も感じました。色使いなんかは、油彩だけれど日本画のようにも感じられるというか。和室に飾っても良さそうな作品もありますよね。



地元企業のサポートにより、善光寺付近にギャラリーもオープンさせた髙津さん。エネルギッシュな創作と運を強力に引き寄せる力で、今後どう躍進していくのか楽しみだ。

作品 「Tolerance」




髙津秀太郎美術館

住所   長野県須坂市小河原1403

TEL   026-245-9900

OPEN  予約制(ご希望の来館日時をTELまたはHPの問合せフォームよりご連絡ください)

入館料 無料

HP      https://musee-takatsu.com


髙津秀太郎アートギャラリー

住所   長野県長野市大門町44-1大門町フォレスト2F

OPEN   不定期(HPで開館日を告知)

入館料  無料

HP     https://galerie-takatsu.jimdofree.com/