旅好きから偶然始まった和菓子職人の道

須坂のすごい技術を持つ方を勝手に「Suzaka Meister」と命名。

今回は和菓子職人 越武子さん。


化学肥料を使わず自家果樹園で育てたふじりんごを丸ごと1個分使った「紅霜月」

太陽をたっぷり浴びて育った地元産のプルーンを全量の7割入れた「紫桃夏」
果実の豊かな風味にきっと驚く、須坂の逸品を作った職人のキャリアの始まりは「旅」!?





りんご農家と和菓子職人2つの顔を持つ越さん
和菓子作りを始めたきっかけは?


以前女性は華道や茶道を学ぶのがごく当たり前で、好きが高じて京都にも習いに行っていた越さん。特にお茶の席で出されるお菓子は、味はもちろん見た目の美しさにも心を奪われたそう。でもすぐにお菓子を仕事にすることはなく、一般の企業に就職。35歳の時、海外旅行へ行くためのアルバイト(!)と思ってとなりの小布施町にある日本料理店へ応募したところ、見事合格!アルバイトのつもりで応募していたが、華道・茶道の経験を買われ、社員として厨房に入ることに。


まずは大阪にある土井勝先生の料理学校で徹底的に基礎を学んだ。2カ月の研修を経て店に入り、料理をメインに担当。2年ほど経ってコース料理の最後に和菓子を出すことになり、当時監修のため月に一度店に来ていた土井善晴先生より和菓子作りを学ぶことになった。こちらのお店での和菓子作りはどうでしたか?「小豆にしてもわらび粉にしても、最高級・本物の素材を惜しみなく使わせてもらえた。素材でこんなにも違うのかと毎日が感動でした。」



代表作「紅霜月」と「紫桃夏」誕生まで


小布施の日本料理店を退職した後も別の店で和菓子職人の仕事をしながら京都などに通い研究を重ねた。そのうちに味が良いと評判だった実家のりんごを活用したお菓子を作りたいと思い立つ。青森に飛び、様々なりんごを使用したお菓子を試食して、一つだけ参考になったのが、りんごジャムの入った羊羹だった。それを参考にりんごの果肉をたっぷり入れた羊羹を開発。当初は販路の開拓に苦労したが、市の商業観光課に持って行って試食してもらったところ担当者が気に入ってくれ、市の土産品開発に関するサポートを受けられることに。紅霜月は2013年、紫桃夏は2014年に発売となった。



今後作ってみたいお菓子はありますか?


「青森で食べたりんごを使った漬物のようなものが美味しかったので、それをヒントに新しいお菓子を作ってみたい」との事。旅が大好きな越さんは持ち前の好奇心と確かな技術でこれからも美味しいものを世に送り出してくれそう。楽しみにしてます!


こし乃菓子工房

HP/ONLINE SHOP http://ringo-koshino.com/


<取扱い店舗>

◎蔵のまち観光交流センター/長野県須坂市大字須坂352-2/026-248-6867

◎旧小田切家住宅/長野県須坂市日滝5414/026-246-2220

◎仙仁温泉 岩の湯/長野県須坂市仁礼3159/026-245-2453